スペシャルレポート:【大阪市】放出下水処理場上部利用施設 市民農園

そらの畑事例

【大阪市】放出はなてん下水処理場上部利用施設 市民農園

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全景(出典:放出パンフレット)

下水道施設の上部を利用した試みとしては、全国初の市民農園。近隣住民からの要望がアンケートによって抽出され、大阪市がそれに答えた形となった。迷惑施設となりがちな下水道施設も、緑豊かな屋上庭園、市民農園として生まれ変わり、地域の活性化に貢献するなど、都市における貴重な空間の有効利用がされた良い事例である。

調査概要

名称 放出はなてん下水処理場上部利用施設 市民農園(大阪府大阪市城東区永田2-3-61)
調査日 2009年12月2日
調査担当 屋上開発研究会 松本、前田、松田、小山、藤田、後藤、鈴木、小林
説明者 大阪市建設局下水道河川部 担当係長 黒田武志氏

農園の立地情況

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告知の看板

放水処理場の既存水処理施設約21,000㎡のうち、構造的に上部利用が可能な約14,000㎡について覆蓋してその上部空間を近隣住民から要望のあった「市民農園(面積約5,000㎡)」と、せせらぎや芝生広場を有する「屋上庭園」として整備した。

オープンスペースがもともと少ない地域において、緑地を増やすという大阪市の方針を受け、地域住民にアンケートをとったところ、「市民農園が欲しい」という要望が多かった。

農園施設の概要

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休憩施設

一区画の面積は約20㎡、利用料金は年35,000円(税込み)で、全体で153区画を整備している。

開園時間は午前9時30分から午後4時30分までだが、利用者には1区画に1個のカギを渡し、個々の管理として時間外や閉園日にも農作業が出来るように考慮されている。

運営管理は農業の専門家である、㈶大阪市農業センターへ委託されており、センターは大阪市の他の農園と合わせて運営管理を行っている

開設の経緯

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農園内部

平成12~13年度に、放出下水処理場の上部空間の市民利用の検討が行われ、近隣住民から要望の強かった市民農園・緑地・広場として整備することが確定し、平成13年度より水処理施設を覆う上家の新築工事に着手した。

下水道施設を利用した市民農園はわが国初めての試みであり、水処理施設の屋上という特殊な場所での実用可能性を検証するために実験農園を設け、生育実験が行われた。

平成17年3月に施設が完成し、4月から屋上庭園や市民農園として利用開始した。

利用と運営実態

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農具倉庫

平成17年1月に150区画の市民農園利用者を公募し、募集定員の約1.8倍の応募があった。また、平成18 年2 月末には95%の利用者が更新を希望している。

利用者募集に先立つ調査で要望のあった近隣小学校の3 区画を優先的に配分し、食育も兼ねて伝統野菜の栽培などを行っている。

契約期間は1 年間だが、野菜などに適した土つくりや、植付けから収穫までのサイクルなどを考慮し、基本的に3 年間の継続利用が可能とした。

摘要
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芝生広場

事業主体は大阪市、運営は財団法人大阪市農業センターに委託されている。

耕作放置区は特に見当たらない。各自が区画内つくるつる性植物等を用いた休息のための囲い等が目立つがそれぞれに愛着が感じられる。各区画が思い思いの作物を自由に栽培しているため、景観的統一性はないが意外な発見もある。住宅地からやや離れた下水処理場の上部公園ならではの景観かもしれない。

財政難のため栽培講座を全面廃止したが、利用者同士が栽培方法を教え合うなどしているために、特に苦情や問題点は寄せられていない。

地域活性化やコミュニティの形成の目的は達成されていると考えられる。

※ 当サイトは、自治体や企業、個人などが管理している遊休土地、空き地、ビルの屋上などの農園化、菜園化を推進する、NPO法人屋上開発研究会による「都心型農園」のPRサイトです。
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